管外視察:ICT教育とプログラミング教育について

東京都小金井市立前原小学校

ICT教育とプログラミング教育の先進校として東京都小金井市立前原小学校での取り組みを視察した。

 

① 前原小学校におけるICT教育への取り組みについての説明

 

前原小学校では、ICT活用授業推進校として平成28年度より松田前校長の下、先進的なプログラミング授業に取り組み、その楽しさや面白さ、達成感などを味わえる題材の開発を、試行錯誤しながら取り組まれてきた。

ICTを活用した授業を行うには、先生方の授業力の平準化が必要であり、そのために、松田前校長自ら勉強会を開くなど、先生方のレベル向上に努められたとのこと。

ICT教育を授業に取り入れるのに大事なことは、トラブルやストレスなく機器を利用できることであり、授業中に通信が途切れたり、PCの立ち上がりが遅かったり、固まったり、電源が落ちると、せっかく組み立てた授業が台無しになる。このことから、ICT教育の導入に際しては、ストレスなくインターネットへの接続が可能になる環境や、立ち上がりの早いPCを採用するなど、環境整備が要であるとのこと。

 

② 5年生の授業参観

 

この日はドローンにプログラミングをし、各自思い描いた飛行をさせるというもの。

まず初めに、児童はそれぞれ授業のめあてをPCに入力し、先生に送信。先生は全員のめあてを受け取り、スクリーンに表示することで共有、必要に応じてアドバイスをし、授業開始。

PCとは別に、各自「IchigoJam」というプログラミング専用のキットを準備し、それぞれの授業のめあてを達成するために、様々なコマンドを組み合わせてはドローンに覚えこませ飛ばしてみる。思い通りには飛ばないときには、何が悪かったのか、また、足りなかったのかプログラムを修正し飛ばす。これを繰り返すことにより、思い描いた飛行へ近づけていた。

また、児童同士がアイデアを出し合う姿を垣間見ることができ、いきいきと取り組む姿が頼もしかった。授業中、先生は指導するというよりはサポートに徹していた。

授業の終わりに児童はそれぞれ振り返りをPCに入力し、先生に送信。次の授業へ活かす生きた生徒の情報を瞬時に得ることができる。また、授業で取り組んだ内容について、児童同士で「いいね」などのサインを送ることもでき、PCを介してコミュニケーションをとることもできるとのこと。

これからの授業はICTの活用によりおおきく変化していく。本市も遅れることなく、しっかりと環境整備を進めるとともに、先生方の授業準備に取り組めるよう、今回の視察で得られた情報を活かしたい。